不登校の子どもが危ない! STOP!「多様な教育機会確保法」

私たち「不登校・ひきこもりを考える当事者と親の会 ネットワーク」は、不登校などの経験者と、親の立場の者の集まりです。「義務教育に相当する普通教育に関する多様な教育機会を確保するための法律案(通称:多様な教育機会確保法案)」についての情報共有と意見表明のために、このブログをひらきました。           

2015年09月

 反対要望書とみなさまからの賛同書を2015年12月21日に議員連盟立法チームに提出しました。
 ご賛同受付はしめきりました。賛同をお寄せくださったみなさま、ありがとうございました。

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8月25日に、登校拒否を考える会・佐倉の下村小夜子より、
法案についてどうしても払拭できない懸念や疑問について、
「多様な学び保障法を実現する会」共同代表である喜多明人さん(早稲田大学)に
公開質問状をお送りしていたところ、9月2日付で回答が届きました。
 
おたがいの立場の相違を認めたうえで、
「法案をめぐる評価の良し悪しをもって、これまで蓄積してきた(不登校問題への)市民的なネットワーク、その信頼関係が崩れることがあってはならない」
というお考えから、質問のひとつひとつに丁寧に答えてくださった喜多さんに、感謝致します。ありがとうございました。
 
まずは質問と回答を公開いたします。(→PDF版
広く、みなさんの検討の資としていただければ、と願います。
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学校に行かない子と親の会(大阪) 」世話人代表の山田潤さんが、
多様な教育機会確保法案の立法に関係する議員に、要望書を出されました。
許可を得て掲載いたします。(→PDF版

(この法案について、各方面から議員へさまざまな意見・懸念・反対の声が届けられています。
 とくに、障害児の就学や発達障害にかかわる方々も、分離・排除が強まるという懸念などから
 この法案には敏感に反応されているようです。
 団体だけでなく、個人からの声も、集積し、議連や各党での検討に影響を与えていることと
 思います。)続きを読む

多様な教育機会確保法案の「個別学習計画」について、
不登校の経験者・親などの立場から
「家が学校のようになり、家にいる子どもが追いつめられて行き場がなくなる」
と言うと、
「いや、個別学習計画は、出したくなければ出さなくていい。
 学校籍か教育委員会籍かは『選べる』のだ」
という反論が、よくなされます。

でも、と思います。
実際にこの法案が成立し施行されたら、個別学習計画を出せば保護者は就学義務を果たしたものと見なされること(第17条)、学校は不登校児童生徒の数を減らしたいだろうこと、「枠があるのだから、そこにはまればいいのに」というような有言無言の圧力や視線が、周囲から向けられるだろうこと、…などなどから、孤立した保護者や当事者は、「選ぶ」ほうに向かわざるをえなくなるケースが多いのではないか、と。
当事者・保護者の心理は、さまざまに屈折し、迷い、不安にかられ、複雑な働き方をするのではないでしょうか。

そんなふうに感じていたところ、メールのやりとりのなかで、不登校の子をもつ親の会の方から、次のような意見が寄せられました。(青字は私からの補足です。)

──

(不登校の人のなかには)親との対立で、暴力、家出など激しく出せる人もいますが、
将来の不安から、親の言いなりにならざるを得ず、
苦しみながら、そして不本意ながら、進められる方に行き、
結局、身体症状がきつくなり、
服薬、入院という人も多くなってきています。
「個別学習」、「個別指導」に親は飛びつくでしょう。
いや、子どものほうから、何とかしたい、こんな自分を変えたい、
と、かなりきつい状況でも、自ら「学習」「指導」を望む場合もあるのではないかと思います。
(それは周りが追い詰めているからなのでしょうが)
親の会では、そんな話がよく出ます。「子どもが望む」、と。
最悪の事態です。

──

現場にいないと見えない、わからない内実だと思います。
実際に施行されたらどうなるか、すべてを予測することは不可能ですが、
少なくとももう少し、現場の意見を聞き、丁寧に、多角的に、検討を重ねることが必要ではないでしょうか。




障害児を普通学校へ・全国連絡会」会報337号(2015年8月7日発行)に、多様な教育機会確保法案(義務教育に相当する普通教育に関する多様な教育機会を確保するための法律案)への意見文が掲載されました。インクルーシブ教育の観点から、「養護学校義務化」(1979年度〜)の時との類似などが指摘されています。筆者の名谷和子さん(運営委員)は、東京都の現役の小学校教諭だそうです。
以下に全文を転載します。(紙面のスキャンPDFはこちらこちら続きを読む

今日9月2日、超党派フリースクール議連・夜間中学議連合同総会がおこなわれ、座長一任となっていた条文案の修正版が公開されました(→こちら)。このあと10日間程度をめどに各党での審議に入り、ふたたび総会がひらかれ、全会派一致となれば委員長提案で国会提出とのことです。そうなると、委員会質疑は実質なくなるようです(なるにわぶろぐ参照)。全会派一致がとれなければ、委員長提出ではなく議員提出の形と(恐らく)なり、委員会質疑があり、附帯決議が付される可能性もあります。
 ※法案審議の流れはこちらこちらこちらなど参照。委員会の働きについてはこちらなど。上記にまちがいがあれば、ご指摘ください。

そこで、いまは、各党で審議をおこなう文部科学部門(および、与党の政務調査会、民主党の政策調査会)の議員たちに声を届けることが大事だと思います。
野党の文部科学部門の議員は、参院の文教科学委員会・衆院の文部科学委員会の議員とほぼかぶっていると思われます。

以下は、わかる限りでの各党の文部科学部門議員・政務調査会議員、および参院の文教科学委員会・衆院の文部科学委員会の全議員のFAX番号リストです。急いでつくったため、波打っていますが。。

各方面からの懸念の声が届いているのか、議連総会でも各議員からさまざまな意見がついて、法案をめぐる議論はだいぶ揺れているようです。「私にとって」この法案のどこが、なぜ、問題なのか、それぞれの立場から声を発してみてはいかがでしょうか。議員は多いので、「ねらいうち」もよいかもしれません。政務調査会よりは、文部科学部門の議員のほうが優先かと思います。

★以下が畳まれていたら、右の「続きを読む」をクリックしてください。
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私たちはこの8月に、法案のなりゆきから、旧知の者どうしの幾つかのつながりがさらにつながってつくった集まりです。いまのところほとんどのメンバーが超アナログで、ふだんはウェブの空間にはあまりかかわりがなく、それぞれの場所で生活、活動しています。
メンバー(といっても「ネットワーク」なので、ゆるいですが)は全国にちらばっています。このブログの作成は事務担当・藤本がおこなっていますが(9、10月はほかの者が担当します)、私が直接に会ったことのない方もいます。連絡はメールです。メールのやりとりのなかでは、「そうか」「なるほど」と思える言葉がぽんぽん飛び出してきます。それぞれの方の実感が伝わってきて、そういう実感がやはりいちばん強いし、私たちにとっては大事だ、と思えます。
以下は、そんな言葉の一つです。

──

「多様な」や「(個別学習計画は)選択できる」に私は引っ掛かります。
多様であることや選択できることが
いかにも自由にどのようにでもチョイスできそうな気がしますが、
地域事情、経済状況、親の価値観、その他様々な事情で、
これしか、ここしか、ないよね、と言う事は
「多様な」とは言えないのじゃあないですか?
そして選んだのは、あなたでその責任はあなたにある。
と言われかねない。
こうして義務教育も選択することで自己責任になっていく。
へんですよねー。
個々に分断され、孤立化していく。


──

 「これしか、ここしか、ないよね、と言う事は
   『多様な』とは言えないのじゃあないですか?」

という言葉、ほんとうにそうだ!とひざを打ったのでした。


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