「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案」通称「不登校対策法案」が国会に提出されたことを受けて、法案に反対する団体や学会などから声明や談話などが発表されています。当ネットワークでも、声明を発表いたしましたので全文を掲載いたします。
本国会の会期は残り約2週間ですが、本法案の衆参の文教委員会での審議の情勢は流動的です。
会期末まで予断を許さない状況です。請願署名を引き続き行っています。



●不登校・ひきこもりを考える当事者と親の会ネットワークの声明
法案が国会に提出されたことを受けて、法案に反対する団体や学会などから声明や談話などが発表されています。当ネットワークでも、声明を発表いたしましたので全文を下記に掲載いたします。
法案に反対する団体・学会の声明・談話も紹介させていただきます。

●「すべての子どもに『通称 不登校対策法案』はいりません
-『教育機会確保』より子どもの命が大事-
」当ネットワーク
●「<緊急声明>国会上程された『教育機会確保法案』は
一旦『廃案』の上で、一から再検討
公教育計画学会
●「【談話】『義務教育の段階における普通相当す機会確保等関法律案』ついて
〜憲法と子どもの権利条約にづく教育政策へ転換こそ求められている
全日本教職員組合



●請願署名のお願い
5月18日(水)に行われた衆議院文部科学委員会の審議で、本法案が提案されなかったことに対する公明党の吉田宣弘議員の質問に対し、馳文部科学大臣は「残念だが、あきらめてはならない。すでに文科省は来年度の概算要求に向けて、経済支援、学習支援がなされるように準備している」と答え、法案の成立に意欲を示しました。
法案が成立する前から既に概算要求に向けての準備している」というのは、法律の成立ありきで手続き的にも問題があります
また、本国会の会期は残り少ないですが、法案の議員提案を取り下げ衆議院文部科学委員会の「委員長提案」での短期間での採決など、強引な方法での法案の成立の可能性あります
このような国会の現状に向けて、当ネットワークは法案の慎重審議を求める声を届けるため、引き続き請願署名の募集を行っています。
昨日5月18日にも参議院議長宛の請願署名264筆分を提出してきました。
紹介議員には社民党の福島みずほ議員、共産党の田村智子議員、生活の党の山本太郎議員にお願いしました。請願署名をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
仮に継続審議になり次の国会に法案が送られた場合も、多くの請願署名が本国会に届いていることが意味を持ちます。引き続きご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
※なお請願署名の書式ですが、議院の衆議院文部科学委員会で本法案が審議が始まっていないことを踏まえ、衆参両方の国会に提出できる書式に変更させていただきました。もちろん今までの書式でも問題ありません。

請願書へのご署名の受付は終了いたしました。ご署名をお送りくださったみなさま、ありがとうございました。

下記に当ネットワークの本法案への反対声明の全文を掲載いたします。
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すべての子どもに「通称 不登校対策法案」はいりません
-「教育機会確保」より子どもの命が大事-

2016年5月24日
不登校・ひきこもりを考える当事者と親の会ネットワーク

●立法趣旨が「通称 フリースクール法案」から「通称 不登校対策法案」に変わりました。
 2015年9月15日の「義務教育の段階に相当する普通教育の多様な機会の確保に関する法律案(馳座長案・通称 フリースクール法案)」から2016年2月2日「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案(丹羽座長試案・通称 不登校対策法案)」に立法趣旨が変わりました。「多様な」という言葉とともにフリースクールに財政支援するために法的な手続きとして必要であると言われ、各方面から批判・反対が続出した「第四章 個別学習計画」がバッサリ削り落とされました。
 新たに登場した丹羽座長試案では「第三章 不登校児童生徒に対する教育機会の確保等」というすべての子どもに深刻な影響をもたらす「不登校対策」そのものが姿を現しました。
 不登校対策法案に変わった後、超党派議連の不登校関係団体へのヒアリングはまだ3回(1団体につき1回目は5分、2回目は10分)で出席議員は毎回数人でした。不登校については超党派議連は検討・審議の端緒についたところでした。

●不登校は命の非常口です。法律で非常口を塞がないでください。
 不登校の小・中学生は年間12万3000人以上にのぼります。過去10年間をみても延べ120万人以上の小・中学生とその家庭が不登校対策で悩み傷つき、苦しんできました。いじめや体罰などに傷つきながら不登校できない子どもが自殺する事態が続いています。命を断っていく子どもは学校を休んでいません。不登校は命の非常口です。
 文部科学省が不登校対策をすればするほど、不登校の子どもが増え、命を断つ子どもも増えています。文部科学省の不登校対策は子どもを追い詰めています。効果をあげていない施策を集大成した法律はいりません。不登校問題は全て子どもの生活と命にかかわる国民的課題です。

●不登校法案はヒアリングや審議が不十分で法として未完成です。
 2016年3月11日の超党派フリースクール等議員連盟・夜間中学等義務教育拡充議員連盟の総会では疑問、懸念、法案の不備の声が次々あがるなか、審議不十分のまま座長案として「各党持ち帰り」となりました。
 2016年4月28日議連総会において自民・公明・民進・おおさか維新が承認、共産・社民が「夜間中学に関する部分は速やかに成立を。不登校に関する部分は成立を急がず市民の声をもっとよく聞いて」と慎重審議を求めました。超党派議員連盟内で全会派一致を得られない内容で、反対や懸念や疑問に対して「まずは(法律を)成立させ、(その後で)直すべきところは直し、かえるべき点は変えていく」と言い付帯決議で補ってでも今国会での成立を急ぐのは法律として未完成ということです。
 2016年5月10に「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案」が国会に賛成会派によって提出されました。市民が反対の声をあげ、研究者や学者も懸念の声をあげています。フリースクール議連がなぜ立法趣旨をかえてまで急いで不登校対策法をつくるのか、市民は疑問に思っています。今国会で拙速に成立を急がず、性格の違う夜間中学と分けて不登校対策法案をひとまず廃案にしてください。その上で当事者、保護者、教職員など、多くの関係者の意見をよく聞いて、本当に不登校対策法が必要なのか否かも含め再検討してください。

不登校・ひきこもりを考える会ネット 声明文