4月28日(木)朝8時から参議院会館でフリースクール議連と夜間中学議連の合同総会が開かれました。3月11日(金)の合同総会で懸念や反対意見のあるなか討論なかばで打ち切られ各党持ち帰りとなった「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案」通称「不登校対策法案」について各党の結論が報告され、了承多数で残念ながら連休明けの国会に提出されることになりました。
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                                            ※写真提供:伊藤書佳さん
総会での各党の状況報告は下記のとおりです。

「自由民主党」河村建夫議員 了承

「民進党」  林久美子議員 了承

「公明党」  浮島智子議員 了承

「日本共産党」畑野君枝議員
関係者・研究者の皆さんの話をたくさん聞いてきました。
これで終わりにしないで納得いける議論を続けていただきたい。
夜間中学については皆さん賛成なので今国会で決議していただきたい。
法文2条など子どもや親の子育てを追いつめることになる。
国の不登校政策30年は何だったのか。学校教育の問題を不問に付してはならない。
不登校をしている子どもにとって必要なのは、まず子どもの命を守ること。次に居場所が大切。
その上で学習と教育の機会。早期の対応は(子ども)を追いつめることになる。
国会の文教の歴史ではじっくりとやってきている。早急にやって歴史の汚点を残しかねない。

「社民党」  吉川元議員
フリースクール法案から不登校の全体にかかわる法案になった。
まだ十分に理解を得られていないと強く感じる。
この法案の目的は不登校の皆さんをしっかり支えていこうという法案。
当事者の納得・理解を得られないなかでの法案提出は慎重にならざるを得ない。
夜間中学については早期の成立を、場合によっては切り離しての成立が必要。
地方議会でも東京の多摩市では全会一致で、ここにいる全ての政党が一致して(法案の)慎重な取り扱いを求める意見書が採択されている。
もう少し時間をかけて、当事者の意見を聞くだけでなく、質問する機会と説明を聞く機会を設けていただきたい。
法案では2条-3、3条-1・3、13条などに問題がある。引き続きの議論を継続していただきたい。

「おおさか維新の会」欠席 代理が党内了承と報告


今国会の成立を目指し、不登校の子どもや当事者、保護者や学校教育現場や専門家など多くの反対の声を無視してがむしゃらに法案成立に突っ走る賛成派の議員の方たちは、法律をつくることを自己目的化し、いじめや体罰などで不登校をする社会的弱者である子どもたちのことなど眼中にはないように感じます。
当ネットワークは法案に反対する当事者や市民の声を届ける最後のチャンスと考え、4月15日の「共同記者会見」など資料をまとめ資料提出を申し出ましたが、議連事務局長の林久美子事務所から断られました。
その際のやり取りは下記のとおりです。

資料の提出を問い合わせたところ、
「お世話になっております。
お問い合わせいただきました件ですが、明日は各党からの検討状況・結果をお聞きする場になるかと思いますので、資料はご遠慮いただければと存じます。
何卒ご了承いただきますようよろしくお願いいたします。」
との返事がメールできました。
納得ができないので、理由を電話で尋ねたところ、
「他の団体からもそういう要望があり、準備が大変で、収集が付かなくなるから」
「要するに手間が大変、ってことですね」
「まぁこちらの都合ですけど…」
とのお答えでした。

前回3月11日の議連総会の際は推進、反対の両団体からの資料が提出され、出席者全員に配布されました。
今回の議連総会でも「懸念の声があがっており、慎重に意見を聞きたい」と言いながら、全く矛盾しています。
議連総会で配布された資料(法文とその概要)と当ネットワークが提出した(座長、事務局長、文科省に送付したが配布されず)資料は下記のリンクから見ることができます。
「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案」法文と概要
「不登校・ひきこもりを考える当事者と親の会 ネットワーク」提出資料(当日配布されず)


「不登校対策法」の国会提出が決まり、連休明けから国会で文教委員会の審議が始まる予定です。
日程としては下記が予想されます。

① 連休明け法案提出(5月9日)

② 衆議院文部科学委員会審議(委員会は水・金なので、5月11日、13日、18日、20日)

③ 衆議院本会議採決

④ 参議院文教科学委員会審議(委員会は火・木なので、5月17日、19日、24日、26日)

⑤ 参議院本会議採決

賛成派の議員たちは、今国会の成立を目指しています。「衆議院文部科学委員会審議」が始まれば、急速にことは進みます。「衆議院文部科学委員」の議員と「参議院文教科学委員」の議員に法案反対の声や法案を慎重期して審議してほしい旨をどれだけ届けられるかが勝負です。
「不登校の当事者と市民はこの法案を反対している」との反対の声を「衆議院文部科学委員会審議」「参議院文教科学委員会審議」の前に各党の文教委員にファックスやメールなどで届けてください。
7月には参議院選挙が行われ衆参同日選挙のうわさもあります。議員にとって一番こわいことは議席を失うことです。地元選挙区の事務所に直接行って、有権者として「反対」を訴えてください。
不登校をしている子どもは年間で12万人強、1990年以降では延べ270万人です。この法案はその不登校の子どもたちを選別・排除し、さらに差別するものです。
不登校の当事者、その保護者、関係者の皆さん、また法案に反対する市民の皆さん、どうかアクションを起こしてください。不登校を経験した方、不登校の子どもと一緒の時間を過ごした保護者や関係者の皆さん、次世代にこれ以上の禍根が残らないよう、声をあげていきましょう。

下記は「衆議院文部科学委員」「参議院文教科学委員」の連絡先になります。
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